こんにちは。
オウルジム管理栄養士のHirokoです。
今回は、カロリー制限の方法についてお伝えしたいと思います。
**その他の食事方法については他の記事をご覧ください。**
カロリー制限ダイエットは、特定の食材が食べられないということがないので、食事の選択に関してストレスが少ない方法です。仕事で外食の付き合いが多く、食品の選択が自由にできない方に向いているでしょう。
また、摂取カロリーを抑えることで確実に体重が減少しやすいのも、メリットの一つです。
しかし、カロリー制限は糖質制限やケトジェニックに比べると、体脂肪の減りがやや緩やかとなります。
【ダイエットの進め方】
普段の食事量を知る
まず、普段どのくらいのカロリーを摂取しているのかを調べましょう。
食事記録アプリや栄養計算サイトなどを活用して、1週間の食事内容と摂取カロリーを記録し、現在の平均摂取カロリーを把握します。
推定消費代謝を計算する
次に、1日に消費しているカロリーを調べます。
1日の消費カロリーは、基礎代謝と身体活動レベルで調べることができます。
① まずは基礎代謝を算出します。
➡ およその基礎代謝の求め方
体重kg × 20 = 基礎代謝量
この計算で大体の基礎代謝量を知ることができます。
たとえば
体重70㎏の成人男性の場合
体重 70㎏ × 20 = 1,400kcal となります。
② 次に、上記で算出した基礎代謝に身体活動レベルをかけて1日の消費カロリーを算出します。
【身体活動レベル】
運動をしない静的な日常:基礎代謝量(BMR) × 1.3
通勤、家事など:基礎代謝量(BMR) × 1.5
軽度活動(肉体労働、筋トレ週2~3回運動):基礎代謝量(BMR) × 1.7
重度活動(毎日激しい運動、筋トレ週5回以上):基礎代謝量(BMR) × 1.9
➡ 基礎代謝(BMR)× 身体活動レベル
上記の式に基礎代謝と身体活動レベルをあてはめて
1日の消費カロリーを算出します。
たとえば
体重70㎏の成人男性・通勤ありの場合
基礎代謝量 1,400kcal × 1.5 = 2,100kcal となります。
目標を明確に設定する
現在の状況を把握したら、次に明確な目標を設定します。
たとえば、
『2か月後の同窓会までに2㎏痩せたい、その時に着られなくなったお気に入りのワンピースを着たい』
『半年後の結婚式でお気に入りのドレスを着るために6㎏痩せたい』
など、できるだけ具体的な目標を設定します。
**具体的な目標の立て方は、『ダイエットを始める前に』をご覧ください。**
マイナスするカロリー量の設定
目標までの期間と、設定した減らしたい量に応じて、1日のマイナスカロリーを以下のように調整します。
【急がないとヤバイ!】:早く痩せたい人
→ 1日の摂取カロリーを500kcal減(週に約0.5~1kgの減量を目指す)
【少し急がないと間に合わないかも】:少し頑張りたい人
→ 1日の摂取カロリーを300kcal減(週に約0.3~0.5kgの減量)
【目標までたくさん期間がある】:徐々に痩せたい人
→ 1日の摂取カロリーを150kcal減(無理なくゆっくり減量)
3大栄養素のバランス
目標を決め、1日にマイナスするカロリーを設定したら、栄養素のバランスを決めましょう。
身体の状態や性別によって、PFC(たんぱく質:脂質:炭水化物)の比率を以下のように設定します。
筋肉質の男性 【P5:F1:C4】
→ 総摂取カロリーのうち、50%をたんぱく質、10%を脂質、40%を炭水化物に
女性 【P4:F2:C4】
→ 総摂取カロリーのうち、40%をたんぱく質、20%を脂質、40%を炭水化物に
代謝が低下している人(長期間食事制限をしていた方)【P3:F3:C4】
→ 総摂取カロリーのうち、30%をたんぱく質、30%を脂質、40%を炭水化物に
男女問わずある程度の期間食べる量が少なすぎて代謝が下がっている方は、まず代謝を戻してから、あてはまるPFC比率に移行します。
● 例:体重70㎏の成人男性・通勤ありの場合
① 基礎代謝量 1,400kcal×1.5 = 2,100kcal【1日の消費カロリー】
1日の消費カロリーはつまり1日に必要なカロリー ➡(体重を減らさない場合)
② マイナスするカロリー量は
【急がないとヤバイ!】1日のカロリーを-500kcalを設定
上記の消費カロリーから500kcalを差し引く
③ 2,100kcal-500kcal = 1,600kcal【減量中の1日の摂取カロリー】
※基礎代謝の【1,400kcalは必ず摂取する】
④ PFC比をグラム換算する
筋肉質の男性 【P5:F1:C4】:1日の摂取カロリー 1,600kcal
たんぱく質(P)50% ➡ 1,600kcal × 50% = 800kcal ÷ 4 = 【200g】
脂質(F)10% ➡ 1,600kcal × 10% = 160kcal ÷ 9 = 【約17.8g】
炭水化物(C)40% ➡ 1,600kcal × 40% = 640kcal ÷ 4 = 【160g】
※たんぱく質・炭水化物は1gあたり4kcal、脂質は1gあたり9kcalなので、
➡たんぱく質・炭水化物:カロリー ÷ 4kcal
➡脂質:カロリー ÷ 9kcal
この計算でそれぞれのグラムを調べることができます。
食事プラン例(1,600kcal/P200g・F18g・C160g)
朝食(約400kcal)
オートミール 30g(炭水化物20g、たんぱく質4g)
卵白 3個分(たんぱく質10g)
ギリシャヨーグルト(無脂肪)100g(たんぱく質10g)
プロテインドリンク:パウダー 1スクープ(たんぱく質20g)
合計:P44g / F3g / C25g
昼食(約600kcal)
鶏むね肉 150g(たんぱく質35g、脂質3g)
雑穀米 100g(炭水化物35g、たんぱく質4g)
野菜炒め(キャベツ・ピーマンなど、油は使わず)
豆腐 1/2丁(たんぱく質7g、脂質3g)
合計:P46g / F6g / C40g
夕食(約500kcal)
サーモン(または白身魚)100g(たんぱく質20g、脂質6g)
玄米 100g(炭水化物35g、たんぱく質3g)
ブロッコリー・ほうれん草のおひたし
卵白 2個分(たんぱく質7g)
合計:P40g / F6g / C35g
間食(約100kcal)
プロテインドリンク:パウダー 1スクープ(たんぱく質20g)
合計:P20g / F0g / C0g
1日合計まとめ
たんぱく質(P)…約200g
脂質(F)…約15〜17g
炭水化物(C)…約160g
【意識してほしいこと・注意点 】
なるべくクリーンな食事を心がける
脂質や炭水化物を食べることができますが、ファストフードやスナック菓子は避けましょう。
➡ おすすめの食品例
たんぱく質:鶏むね肉、白身魚、卵、豆腐、プロテインなど
脂質:ナッツ、魚(青魚)、オリーブオイル、アボカドなど
炭水化物(低GI):玄米、オートミール、全粒粉パン、野菜類など
停滞期・疲労がたまった時は、チートデイを入れるよりも運動量を下げる。
➡ まずは身体を休ませて様子を見ましょう。
筋トレをメインに運動をしていて停滞期になってしまった場合は、2-3日ほど炭水化物を増やす(およそ1.5倍)
➡ 燃えやすいエネルギー源の炭水化物を一時的に多く摂取することで、代謝のサイクルを再びまわします。
脂質をしっかり摂る
➡ ホルモンの材料となる脂質は、カットし過ぎないようにしましょう。脂質を少なくし過ぎると、疲労感が抜けにくくなったり、十分な睡眠がとれなくなったり、体重が減りにくくなったりします。
いかがでしたでしょうか。
外食が多い方に向いているカロリー制限は、緩やかな体重減少率であるものの、確実に体重を落とせる方法です。
目標やご自身のライフスタイルを見直しながら、しっかり計画を立てて取り組んでみましょう。
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