こんにちは。
オウルジム管理栄養士のHirokoです。
脂質は身体の材料となり、脳などを正常に機能・維持させるために必要な栄養素です。そのため、ダイエット中であっても摂る必要があり、特に、ケトジェニック中は脂質からほとんどのエネルギーをまかなうので、脂質の種類は重要になります。
できるだけ身体に負担のない、健康を損ない過ぎないためには、どのような油を摂るべきなのか、油の種類や特徴、含まれる食品をご紹介します。
脂質の種類
脂質は大きく①飽和脂肪酸、②不飽和脂肪酸の2つに分けられます。これら2つは特徴によってさらに細かな種類に分けられます。
① 飽和脂肪酸
飽和脂肪酸には、長鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、短鎖脂肪酸の3種類があります。それぞれの特徴をみていきましょう。
● 長鎖脂肪酸
バターのように、冷えるとカチカチに固まる油。熱に強くて、炒めものや揚げものでもこわれにくい。牛や豚の肉の脂、バター、チーズに多い。
⚠ 身体のエネルギーになるけど、たくさん食べすぎると血液がドロドロになりやすい。
調理例
牛ステーキのソテー(バターで香りづけ)
チーズ入りオムレツ
豚バラ肉のしょうが焼き
➡ 調理のコツ:高温調理に強いので、炒め物・焼き物・煮込み料理に向いている。
◎グラスフェッドバターやギーは、中鎖脂肪酸や、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸がバランスよく含まれているため、バターを使うときに代わりに使うと良い。ただしやや高価。
● 中鎖脂肪酸
ココナッツオイル、MCTオイルに多い。すぐにエネルギーになって、あまり身体にたまりにくい。
調理例
ココナッツオイルで炒めた野菜炒め
MCTオイル入りプロテインシェイク(加熱せず混ぜる)
ココナッツオイル入りカレー(香りと風味アップ)
➡ 調理のコツ: MCTオイルは加熱しすぎず、飲み物や完成後にかけるのが◎
● 短鎖脂肪酸
基本的には食物繊維を材料に腸内で作られる。バター、チーズ、ヨーグルトの中のごく一部に含まれているが、食品から摂取しても大腸まで届かない。そのため、短鎖脂肪酸の材料を摂取し、大腸で作ることが大事。
➡ 肥満予防や腸内環境を整える働きがある。
食物繊維を多く含む食品
アボカド、オクラ、海藻類、ごぼう、葉物野菜、いも類
② 不飽和脂肪酸
サラダ油のように、冷えても液体のままの油。身体の中の炎症や血のかたまりを防ぐのに役立つ。
● 一価不飽和脂肪酸(オメガ9:オレイン酸など)
オリーブオイル、アボカド、ナッツに多い。
➡ 心臓にやさしい油(動脈硬化や高血圧予防)。熱に強いため高温調理可能。
● 多価不飽和脂肪酸
- n-3系(オメガ3):魚の油(EPA・DHA)、亜麻仁油、えごま油
◎ 炎症をおさえて、脳や目の健康にもよい。
➡ 調理のコツ:熱に非常に弱いので、加熱しないほうがベスト。刺身、サラダのドレッシングなど生食推奨。
- n-6系(オメガ6):コーン油、大豆油、ごま油
⚠ 必要だけど、とりすぎると炎症を悪化させてしまうこともある。
➡ 調理のコツ:熱に弱いものが多いので、加熱し過ぎない、サラダにかける・できあがりにちょい足しがベスト。
③ トランス脂肪酸
もともと良い油が、工場や長時間加熱で形がゆがんでしまった油。身体に悪い働きをしやすいので、できるだけ避けたい。
含まれる食品
マーガリン、ショートニング、ポテトチップス、ドーナツ、長時間揚げた油
⚠ 意図的に使わない、食べない。揚げ油は何度も使い回さない。
まとめ
ダイエットのときの油のとり方
全部ぬくのはNG。身体にも脳にも必要な栄養だから、良い油を適量摂る。
加熱するならココナッツオイル、バター、オリーブオイル。
サラダやスープの仕上げなら亜麻仁油、えごま油。
スナック菓子や加工食品の油はできるだけ控える。
ケトジェニックの時メインに選ぶべき油
MCTオイル(すぐにエネルギーになり、身体に溜まりにくい)
ココナッツオイル(中鎖脂肪酸+酸化しにくい)
グラスフェッドバターやギー(栄養豊富で熱に強い)
オリーブオイル(熱に強く酸化しにくい+心臓にやさしい)
魚油 :魚に含まれる油(EPA・DHAで炎症おさえる)
⚠ 肉類はたんぱく質を多く含んでいるが、脂質の種類があまりよくないので、肉類の脂に偏り過ぎないようにする。サラダはオリーブオイル+塩をかけたり、3日に1回はたんぱく質源を魚介類にするなど、良質な脂質も摂取するよう心掛ける。
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